褻の日記

耽美っぽい文章を書きます

相模原障害者施設殺傷事件はリベラリズムへの返答である

相模原での障害者殺傷事件は戦後最悪の死傷者数を出した事件として日本の歴史に不名誉な傷跡を残している。当初からナチズムと関連づけられた報道が多くなされ、T4作戦の名前が取りざたされた。T4作戦とはナチスによるユダヤ人の計画的抹殺の前哨戦とも言わ…

いなか、のじけん

『いなかの、じけん』。これは、異色の探偵小説作家・夢野久作が1927年に雑誌『猟奇』『探偵趣味』の両誌に発表したショートショートである。滑稽なものから陰惨な事件まで土着の風習と絡められた小話が20編続くのだが、『猟奇』という雑誌に作品が掲載され…

けものフレンズ構文とニュースピーク

けものフレンズ、というアニメが流行っている。このアニメを有名にしたのは、このアニメの登場人物であるサーバルちゃんの「すごーい!」「たのしーい!」といった単純な語彙の数々である。インターネットの住人達は、「すごーい!君は○○の得意なフレンズな…

VRとデカルトの死

友人の家ではやりのVR(Virtual reality)とやらを試させてもらった。一言で言うと、面白い。仮想世界で遊ぶ経験は初めてであったため、とても新鮮で刺激的だった。VRを使って的当てゲームをしたのだが、仮想世界の中のキャラクターが自分の思った通りの動き…

夜と霧の中で―アウシュヴィッツ訪問記―

夢にまで見た場所にいることをはじめは信じられなかった。私は今までナチズム・ヒトラー・全体主義・絶滅収容所に関する多くの本を読んできた。しかし、それは私の中で一種の「ファンタジー」となってしまい、ユダヤ人虐殺の事実が私の中でいつの間にか別の…

ヒールと不自由さ

ヒールの不自由さが好きだ。高いヒールであればあるほどいい。高いヒールであるほど不自由さが増すからだ。 ヒールは、履く人間の自由を奪うことができる。ヒールを履いていると、躓きやすくなるし、早足で歩けないし、足裏が痛くなるので長い距離が歩けない…

愛国心とナショナリズムとビジュアル系

日本においてナショナリズムをテーマとして扱う音楽アーティストは少なくない。有名どころで言えば椎名林檎やLOUDNESSなどが挙げられるだろうし、私の好きなビジュアル系に目を向けるとその数は一気に多くなる。例えば、初期のthe GazettEやR指定、カミカゼ…

もし真に道徳的な人間がいるとすれば、それはマゾヒストただ一人である

マゾヒストの感情は不思議なものだ。動物である人間は痛いことを本能的に避けようとするのが普通だろう。しかし、マゾヒストは痛みを受け入れていく。しかも受け入れるだけではない。快感として自分の中に取り込んでいくのだ。 一本鞭で打たれている人間を見…

人はなぜ下ネタをツイートするのか

Twitterで自分の性癖もしくは実現不可能だと思われる性的願望を冗談交じりに公開している人がよくいる。「幼女をぺろぺろしたい」とか、「○○ちゃんの聖水を飲みたい」とか、「JKの革靴になりたい」とか、とりあえずそういった類いのツイートのことだ。 そし…

生命の形は見ることができる

拒食症になり命を落としたモデルがいた。「痩せていることが美の必要条件である」という固定観念が行き過ぎた結果としか言いようがない。拒食症のモデルは一般的な美を追うために痩せようとする。自らの余分な肉をそぎ落とし続け、理想の身体のラインを目指…

醜くて美しく、美しく醜いもの

私は、パリよりもクラクフの方好きで、レオナルド・ダヴィンチの絵よりもすぐに消されてしまう街角の落書きの方が好きである。ヨーロッパで豪華なお城を見るよりは小さな村のひなびた教会を見たいし、ダイヤの指輪よりもラムネの瓶の中に入っているビー玉の…

卵とエロティシズム

卵は非常に美しい形をしていると思う。卵が描く曲線はたおやかで、優雅だ。表面は決してすべすべしている訳ではないが、指をその上にすべらせると、なんの抵抗もなく端から端までなぞることができる。手で軽く握ってみると、その曲線をさらに味わうことがで…